事業を通じて貢献を目指すSDGs目標
広域化の推進、官民連携などへの取り組み。
水道事業の再構築と運営基盤の強化を図る時期に来ています。
日本の水道は既に普及率が 98 %に達しており、世界でも有数の水道技術大国となっています。
しかしながらこれから迎える「人口減少社会」を見据えたとき、水道事業の経営環境の悪化は不可避と予測されています。
水需要の減少が見込まれるなか、老朽化施設の更新対策や年々増加傾向にある予測困難な自然災害等への対策、また水道事業そのものを支える技術基盤の存続、そして安定経営に欠かせない水道料金の設定等の課題に加え、国際的に機運が高まる「脱炭素化・地球温暖化対策」への対応といった新たな課題とも向き合うべき社会となってきています。
これらの課題に適切に対応していくため、公営企業様には地域の実情を踏まえた「広域化」推進や、「官民連携」等を柔軟に検討し、水道事業の再構築と運営基盤の強化を図る【具体的実行力】が求められています。
当社は自治体様が向き合われている課題に応じた【官民連携ソリューション】を策定し、実行計画へ落とし込む(プロジェクト化する)お手伝いをしています。
<主な課題>
・老朽化の進行 ・進まない耐震化 ・経営基盤の脆弱性 ・資金不足 ・人材不足(技術系) ・人口減少 など
PPP:パブリック・プライベート・パートナーシップ 官民連携。
行政と民間が連携して公共サービスの提供を行う手法。民間の創意工夫を活用することにより、施設整備の効率化や行政サービスの向上を図るものです。指定管理者制度も含まれます。
PFI:プライベート・ファイナンス・イニシアティブ
公共施設等の設計、建設、維持管理及び運営に、民間の資金とノウハウを活用し、公共サービスの提供を民間主導で行うことで、効率的かつ効果的な公共サービスの提供を図る。
DBO(Design-Build-Operate)方式:公設民営方式
公共が起債や交付金等により資金調達し、施設の建設、運営業務を包括的に民間事業者に委託する方式。
コンセッション方式:Concession
公共施設等運営権として規定された官民連携事業の一方式。利用料金の徴収を行う公共施設について、施設の所有権を公共主体が有したまま、施設の運営権を民間事業者に設定する。民間事業者による自由度の高い運営を可能とすることにより、利用者ニーズを反映した質の高いサービスを提供できる。
コンストラクションマネジメント(CM)について
近年「設計業務」と「工事監理請負業務」を発注される際の業務負荷等を懸念される公営企業様が増えています。
その最たる理由は職員(特に技能職員)不足にあり、建設事業経験と専門知識が豊富な職員が不足しているために発注先企業と同じレベルでの協議、コミュニケーションが難しく、結果として意図しない方向に事業が進んでしまうなどといったリスクを懸念されています。
そうした事態を避けるため「発注者」側の技術的補完業務を行うのが「コンストラクション・マネジメント」であり、事業を成功に導くため、専門性の高いコンストラクション・マネジャーが発注者の立場に立ち、その事業のマネジメントを行います。
近年こうした設計業務と工事監理業務を一括で発注する「コンストラクションマネジメント方式」を採用する事例が増えています。
コンストラクションマネジメントの「受託者」は、「発注者」の補助者・代行者としてマネジメント業務の全部または一部を行うサービスを提供します。
なお、施工については様々な手法がありますが、「発注者」が「受託者」のアドバイスを踏まえ工事種別ごとに「施工者(地元工事会社)」に対し分離発注する手法の場合、地元工事会社の継続育成や施工ノウハウの定着およびスキルの向上に繋がることから年々注目を浴びています。
当社は国土交通省のガイドラインに準拠し、技能職員減少に伴い発注者体制を整えにくい自治体様のお力になれるよう、パートナー企業と共に、より良いご提案作りに取り組んでいます。
官民連携のメリットとデメリット
官民連携では、事業者の抱える課題を解決するようなメリットが期待される一方で懸念されるデメリットもあります。
<メリット>
- 運営自由度が高い民間ノウハウや創意工夫による効率的事業が期待できる。
- 事業期間全体で費用の平準化が可能。※民間事業者により資金調達を行う場合
- 減少する職員のバックアップが可能。
- 附帯提案事業や任意事業(新規事業)の創設が期待される。※コンセッション方式
- 運営権対価の獲得。※コンセッション方式
など
<デメリット>
- 職員の技術継承等、技術力の低下。
- 調達コストが高くなる可能性あり。※民間が資金調達する場合
- 公租公課が発生。※施設を民間が保有する場合
- 発注の長納期化。
など
官民連携検討時の留意事項
以上の通り官民連携には多くのメリットが期待される一方、デメリットも想定されることから、導入検討に際しては、大まかに下記事項に留意する必要があります。
- 策定済み(或いは策定中)ビジョンや経営戦略等の建設投資計画や財源確保計画との比較検証。
※アセットマネジメント検証結果(財政収支見通し)との比較(内部留保の推移等) - SWOT分析でのW(弱み)解消に繋がる事業かどうかの検証。
※各論分析:建設投資項目ごとの分析【土木構造物、施設(設備)、管路】
総論分析:経営全般【他人資本依存度分析等経営指標全般】の分析 - 公共と民間の責任分解(リスク分担)の検証。
- 当該事業が公共のみならず民間にとっても魅力ある(事業収益を確保できる)事業かどうかの検証。